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配列のスプレッド構文「...」(spread syntax)

JavaScript の配列ではスプレッド構文「...」を使うことで、要素を展開することができます。

配列の作成

ある配列に要素を追加して新しい配列を作成する場合に、スプレッド構文を使わない場合は次のようなコードを書く必要があります。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [];
for (const item of arr) {
arr2.push(item);
}
arr2.push(4);
ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [];
for (const item of arr) {
arr2.push(item);
}
arr2.push(4);

スプレッド構文を使用することで、上の実装は次のように簡単に書き直すことができます。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [...arr, 4];
ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [...arr, 4];

スプレッド構文は配列リテラルの好きな位置に記述できるので、要素と要素の間に他の配列を挿入することもできます。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [0, ...arr, 4];
ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [0, ...arr, 4];

配列のコピー

配列のコピーを作る際に、スプレッド構文が便利な場合があります。スプレッド構文で作成されたコピーは、元の配列とは異なる実体を持ちます。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const backup = [...arr];
arr.push(4); // 変更を加える
console.log(arr);
(4) [1, 2, 3, 4]
console.log(backup); // コピーには影響なし
(3) [1, 2, 3]
ts
const arr = [1, 2, 3];
const backup = [...arr];
arr.push(4); // 変更を加える
console.log(arr);
(4) [1, 2, 3, 4]
console.log(backup); // コピーには影響なし
(3) [1, 2, 3]

注意点として、この方法は浅いコピー(shallow copy)です。深いコピー(deep copy)ではない点に注意してください。浅いコピーで複製できるのは、1層目の要素だけです。配列の中に配列が入っている場合は、2層目より深くにある配列は、元の配列のものと値を共有します。

js
const arr = [1, [2, 3]];
const backup = [...arr];
arr[1].push(4);
console.log(arr[1]);
(3) [2, 3, 4]
console.log(backup[1]); // 変更の影響あり
(3) [2, 3, 4]
js
const arr = [1, [2, 3]];
const backup = [...arr];
arr[1].push(4);
console.log(arr[1]);
(3) [2, 3, 4]
console.log(backup[1]); // 変更の影響あり
(3) [2, 3, 4]

上記のような浅いコピーの挙動についての詳しい解説はこちらにあります。

📄️ オブジェクトを浅くコピーする

オブジェクトとは色々なキーとプロパティの組み合わせをひとつのモノとして扱うことができます。

スプレッド演算子と同等の手段として、配列のconcat()メソッドを用いる方法もあります。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const backup = arr.concat();
arr.push(4); // 変更を加える
console.log(arr);
(4) [1, 2, 3, 4]
console.log(backup); // コピーには影響なし
(3) [1, 2, 3]
ts
const arr = [1, 2, 3];
const backup = arr.concat();
arr.push(4); // 変更を加える
console.log(arr);
(4) [1, 2, 3, 4]
console.log(backup); // コピーには影響なし
(3) [1, 2, 3]

配列の連結

配列の連結もスプレッド構文を使用して簡単に書けます。

ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [4, 5, 6];
const concated = [...arr, ...arr2];
ts
const arr = [1, 2, 3];
const arr2 = [4, 5, 6];
const concated = [...arr, ...arr2];

分割代入と残余パターン

似たシンタックスとして分割代入で使われる残余パターンの構文がありますが、異なる構文なので注意が必要です。

📄️ 配列の分割代入

配列の分割代入
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